ホヤの持つナノスケール機能性表面の力学的特性評価
ホヤは非常に面白い生物です.先ず一目見た時点で手足も無く殆ど動かないのに,昆虫等よりよっぽど私たち脊椎動物のグループに近いです.また,後生動物(日常的に言う「動物」)の中で唯一,植物と同様にセルロースを作り出すことができます.
セルロースはホヤの表面を覆う「被嚢(ひのう)」を構成する主成分となりますが,一部のホヤはこの被嚢表面にナノメートルスケールの微小構造を持ちます.この微小構造は,ボツボツとした点字ブロックの様な形状をしており,汚損物質や寄生生物の付着を抑制していると考えられていますが,詳細なことはまだわかっていません.
そこで,当研究室ではホヤの被嚢に対して「力測定」の視点からアプローチをかけています.具体的には,ナノニュートンレベルの接着力を測ったり,摩擦力測定を行っています.またそのために必要な力測定システムの開発も行っています.
ホヤの微小構造の機能を紐解くことで,生物の進化に関する知見を得たり,セルフクリーニング材料の開発に役立つ可能性があります.
※本研究は琉球大学の広瀬裕一先生と共同で行っております.ホヤの写真も広瀬先生ご提供です.
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